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【24】おじいちゃんの思い [保育園送迎記]

 昨日は仕事である心理学者の先生と打ち合わせをした。そのなかで最近の若い人たちの意識や行動について、私から見ると理解に苦しむような話をいっぱい聞いた。これは、最近のインターネットをはじめとするIT技術環境の発達の影響からくるもので、「最近の若い者は……」といった言い方に表わされるような単純な世代間の差(ジェネレーションギャップ)からくるものではないらしい。

 常時、ネットとつながった生活や仕事をしているので、直接的な対話能力が非常に弱くなっている。なんでもメールやSNSでコミュニケーションをとるので、直接会って話すのはもちろん、電話での連絡や交渉ごとなどができなくなってきている。生身の人間同士の対話ができなくなってしまって、相手の反応に対応するすべを身につけることができない。相手の表情や口ぶりを解読できないのだ。こんなことは日頃人と接触していればだれでも身に付いていくものなんだが。だから、逆に、絶えず自分が他人にどう見られているのかが気になって、他人を思いやる気持ちが弱くなっている。

 これからは教科書もiPadのようなタブレット型端末になってしまうと、知識や教養を身につけるはずの教育がただの情報のやり取りになってしまって、ますます情緒的なコミュニケーション不全に陥ってしまうのではないか。

 電車に乗っていても街を歩いていてもスマートフォンの画面ばかりを見つめている若者(ばかりとはかぎらないが)がやたら多い。携帯電話がはやりだした頃も電車の中では多くの人が携帯電話をかざしてメールを送受信したりしている光景にギョッとしたものだが、最近ではそれどころではない。電車に乗り合わせている人の7、8割の人がスマートフォンの画面をなぞったり、手指を器用に動かして、メールを打ったり、ゲームをしたり、ネットから情報を取り込んだりしている。

 車を運転しながらスマートフォンで会話したり中にはメールをうってる人もいる。かと思えば自転車に乗りながら。いやはや。私なぞはこういう光景は異常に感じて、見苦しくて仕方がないのだが、いったいあの小さな画面には人を魅入らせるどんな世界が入っているのだろうか? 

 ヒトシやタックンもあと10年もすると、今の若者と同じような意識を持ち、行動をするつようになるのだろうか? それとももっと進化した行動様式が出てくるのか? ヒトシやタックンと日頃接していると、もちろんかわいいものだが、正直、腹の立つことも多い。子供のやることに大人げないとは思うが、実際、むかっとくることが多いのだ。でもそれが人を育てるということの現実だろう。母親・父親や保育士さんたちの苦労や努力がよくわかる。

 人間の脳は有限であるから、ネットの中だけでコミュニケーションを取っていれば、リアルな世界でのコミュニケーション能力が下がってしまう、ということをおっしゃる人もいる。これはわかるような気がする。だからせめて机の上のパソコンでのネット利用にとどめて、外へ出るときは目と耳は外界の情報のために開放しておくべきだと日頃から思っているのだが、ヒトシやタックンはそういうジイジの思いがわかってくれるだろうか?  

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