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【148】年々歳々花相似たり、歳々年々人同じからず [保育園送迎記]

 今日は春雨ですね。風もなく寒さを感じない。

 くれないの二尺伸びたる薔薇の芽の針やはらかに春雨の降る 子規

 いいですね。ハナミズキ、コデマリ、ユキヤナギ、モッコウバラと花盛りです。これらは私がよろよろと散歩するごく近所に咲いている花ですが、こういうちょっと変わった花を見つけました。私が知らないだけかもしれませんがね。花も幹も八重桜のようなんですが、花が垂れ下がっています。枝垂とは違って花柄が下がっているのです。

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 今年の春もこんなに花が咲いているのになんという春なんでしょう。これからはじまる連休が終わったら感染者数が下降傾向になっていればと願うばかりです。

 私がずっと仕事を続けてきた出版業界もこれまでにない苦境に立たされています。他の飲食店や小売業と同じく書店の休業が相次いでいるのです。出版社がせっかく本を制作してもその本を並べることができません。せめてアマゾンなど通販ならと思うのですが、この業界は多忙、混乱を極めており、品切れを起こしても満足に補充をしてくれません。また、同じ売るなら本よりも利幅の厚い生活用品のほうが有利なのです。

 そもそも中小零細の多い出版業界ですが、その業界でたつきの道を得ているのはプリプレス(印刷の前段階)業者やデザイナーさん、フリーの編集者、ライター、校正者などけっこう幅広いのです。途方に暮れている人がいっぱいいるのは間違いありません。そしてこういった構造は出版業界に限らず、すべての業界に共通でしょう。

 いったいこの苦境はいつまで続くのでしょう。それともまだ始まったばかり?
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【147】私のステイ・ホーム [保育園送迎記]

 先日の新聞にインドからヒマラヤ山脈が見えたという記事がありました。ここ関東地方でも今日は澄んだ青空が広がり、真っ白な雲が浮かんでいます。コロナウイルスは人々の命や生活や経済を殺す代わりにきれいな空気を運んできたことになります。

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 私は10年前、57歳のときに勤め先の出版社を辞めて、自営業を始めました。書籍の編集という1人でも可能な仕事のおかげです。神田の友人の事務所に間借りし、机とパソコンとプリンターを買って仕事を始めました。それでも当時から深刻だった出版不況がさらに深まり、おまけに独立して半年後に肺がんという深刻な病にかかって、手術、入院中は引き受けた仕事も版元に返さざるをえなくなりました。幸いこのときはごく初期のもので、また仕事を再開することはできましたが。

 ただ、60歳からは厚生年金が受給できましたし(60歳から受給できる最後の生まれ年でした)、肺がんが再発した62歳のときは基礎年金の繰り上げ受給を始めました。計算したら、75歳以上生きていたら基礎年金の生涯の受給額は減るのですが、そこまで生きているとは到底思えません。この段階で都内の間借り事務所を引き払い、以後は自宅で仕事を続けてきました。とはいえできる仕事は限られます。今では古いなじみの著者の本をゆっくり作っているくらいです。

 さて、今現在、細々とした仕事を続けながら、体力と体重の回復をめざしています。週1回は訪問看護、月2回は訪問診療を受けています。保険利用とはいえ、費用はそれなりかかりますので、頭の中での費用の算段で計算機はいつもぐるぐると回っています。看護の看護師さんや訪問のお医者さんともいろんな話をして、発見すること、考えさせられることも少なくありません。なにごともムダな経験というものはないのですね。

 先日の訪問医師との会話。

 私「いやあ、すっかりやつれてしまいました。私は72キロがベストだったんですが、今は52キロです。どうしたらこんなにやせますかね。風呂場で鏡を見るのがこわい。体重計にも乗りたくありません」
 医師「肺の感染症というのはきついんです。すごいエネルギーを費やして炎症を起こします。脂肪も筋肉も炎症で消費されます。でもこれを回復しようとしても、せいぜい3ヶ月に1キロです」
(私の場合は細菌の感染症ですが、現在の新型コロナはウイルス感染です。想像するだにきつい感染症です。TVで岡田春恵先生の言うことを良く聞いてください。一貫していて説得力があります。)
 私「親父が死ぬときもこんなからだになっていました。ということは私も近く死ぬのかと思ってしまいます」
 医師「私は仕事柄、そういう人は見ればわかります。今まで何人も見てきました。田中さんはそんなことはありません。心配しなくていいですよ。これからです」

 というような日常が続いています。時間はたっぷりあるので本は読みたい音楽は聴きたい。暖かければよろよろと散歩に出ます。音楽と言えば、ドコモのサービスでアマゾンミュージックをインストールしてクラシックやジャズを鳴らしていますが、やはりちゃんとしたスピーカーでCDを聴くのがいい。例えばーー。

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 バッハのピアノ曲。いくら聴いても飽きません。グレン・グールド、クラウディオ・アラウ、アンジェラ・ヒューイット。

 ジャズもこういうのだったら気持ちいいです。ハンプトン・ホーズ、キース・ジャレットトリオ。

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 そして、大好きなマイケル・ブレッカー。息子が入れ込んでいるパール・ジャム。私もパール・ジャムとR.E.M.は大好きです。たいしたバンドです。

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 このマイケル・ブレッカーのNEARNESS OF YOUが出たのは2001年ですからもう20年近く前。ずっととぎれなく聴いています。これはいいですよ。パット・メセニーのギター、ジェームス・テイラーのボーカルも入って静かな曲ばかりです。(マイケル・ブレッカーは57歳で亡くなっています。白血病です。確かジョージ・ハリスンも同じような歳で亡くなっています。肺がんから脳へ転移しています。高田渡も56歳です。亡くなった年が気になるのです。開高健も50代です。この人は食道がん)


 

 
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【146】空は晴れてもココロはヤミだけど [保育園送迎記]

 歴史上、パンデミックは繰り返し起きているということは誰もが知っていることではありますが、それが今自分が生きている時代に起きるとはなんというめぐりあわせでしょう。疫病自体の推移がもちろん一番肝要なことですが、社会や経済の動きがどうなるのか? 人類の歴史にとってとんでもなく悪い方向に行くのではないか? そういう恐れが湧いてきます。数週間数カ月のうちに次第に下降してくれればありがたいのですが、22年まで外出規制が必要だろうというハーバード大の研究もあるようです。そうなると経済は崩壊し、貧困、飢餓、戦争といったろくでもない結果を招くかもしれません。

 私は昨年末から体調を崩したため入院したり、家に閉じこもったままの生活が続いているため、今回の外出自粛にも難なく適応しています。これが現役サラリーマンだったり、フリーランサーだったりしたら、そうもいかないでしょう。テレワークもずいぶん普及していますが、今までと同じ生産性を上げられるとは思いません。第一、経済環境が最悪です。売り上げも激減するでしょうし、これからの雇用や賃金を考えると、そう平常心でおれるとは思えません。やっと平常に戻ったと思ったとたんにリストラの嵐にもなりかねません。経営者も頭を抱えているでしょう。自営業やフリーランサーだとなおさらです。死活問題です。

 こういうときにこそ政権中枢のリーダーシップが大事ですが、どうもおかしい。腰が定まっていない。言葉が浮ついている。補佐官や学者先生の言うことに軽薄にとびついたり。ひょとしたらあの首相は意外と金玉(失礼! 肝)が小さいのかしらん。それでなくとも、どんなときも官僚の用意した原稿やプロンプターを読み上げるばかりです。目は泳いで、自分の意気込み、決意が全く感じられません。

 先週は2ヵ月ぶりに自転車に乗ってコンビニに買い物に行ったことは書きました。一昨日は車に乗って買い物に出かけました。といっても近くの家電量販店ですが。やはり車はラクです。こちらも2ヵ月ぶりの運転でしたが、なんということもありませんでした。これでだいぶ行動半径が広がりました。ただ、家人がまだ一緒に乗りたくない、こわい、と言って買い物は歩いて近くのコンビニに通っています。せいぜい気を付けるしかありませんね。

 娘の娘が1歳の誕生日を過ぎ、立ち上がって歩こうかという時期に差しかかっています。こんな時節柄、里帰りどころか、外出もままならないためか、毎日のように娘から動画が送られてきます。いまはきちんと日時順に整理してアルバムのように仕上げてくれるアプリがあって、まったく、手間いらずです。それでもやはりかわいいもので、娘にとっては、子育ての大変さと引き換えに喜びもまた大きいものがあるでしょう。

 それにつけてもやはりコロナウイルスです。幸運にも感染せずに元気でいて、どんなにうれしいこと楽しいことがあっても、空にはどんより暗雲が立ち込めているようなもので、気が晴れません。私は、年末から春先にかけてやせ細る病状に苦しみ、死んだほうがましとさえ思ったのですが、こうなったらこの世界と人類の危機を乗り越えるプロセスをしかと見届けたいものです。

 わが家の3人の孫もずっと蟄居生活です。保育園も登園自粛です。子供たちの将来がとても心配です。経済同様かそれ以上に教育復興に取り組まなければならなくなるでしょう。


 
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【145】監視社会や強権政治がいやなら…… [保育園送迎記]

 春うららの気候ではありますが、新型コロナウイルスの猛威は止むことがありません。梨田さんが重症だと報じられていますが、あんな頑健なスポーツマンでも百万分の1ミリのウイルスにかなわないのです。もうこれ以上悲しいニュースは聞きたくありません。1日も早い回復を祈るばかりです。私も肺の病気と10年間闘ってきましたので、あの苦しさは想像できます。いやそれ以上の苦しみかもしれません。

 先週、春の風が吹き荒れた翌日、風もおさまって散歩日和になりました。思い切って自転車に乗ってみることにしました。近くのコンビニまでコーヒーを買いに行こうと思ったのです。コーヒー豆の買い置きがなくなってしまったのです。不安があったのですがなんとか行って、買い物して帰ってくることができました。何を大げさなと思うかもしれませんが、これはかなりの思い切りのいることでした。

 実はクルマの運転も再開しようと思っているのですが、これがなかなか踏み切れません。自転車に乗るよりはラクなことはわかっています。入院中リハビリをやってくれたの理学療法士の人も「いいんじゃないですか」とあっさり言ってました。むしろ駐車場のクルマのところに行くまでが難儀です。降りてからも満足に歩けないんでは意味がありません。そういうことでいまだにこの課題は棚上げです。

 昨日は緊急事態宣言が出て、外出自粛の圧力はさらに強くなりました。日銭を稼ぐ商売の人たちは死活問題でしょう。助成金や給付金を手続きをめんどくさがらずに精いっぱい活用するしかないですね。こういうときのためにこそ健全財政が必要なのですが、まったく日本は準備が足りません。これで消費税ゼロなどと言いだすと、医療も介護も教育・子育てもがたがたになってしまいます。結局国債を増発して借金をさらに増やすしかありません。そしてめでたく終息できたなら、増税で穴埋めするしかありません。絵に描いたような経済のV字回復ができれば言うことはありませんが。そんな夢みたいなことを言う時期ではないでしょう。

 でももし、終息できてプロ野球やJリーグや大相撲がおおっぴらにできるようになればこんなにうれしいことはないでしょうね。そしてオリンピックもちゃんと開催できれば。まあ、やめときましょう。こんなことをいう時期ではないですね。いまは耐えるしかありません。

 欧米では日本の対応を甘いと見ているようですね。ロックダウンも外出禁止も罰則もない。日本人独特の同調圧力と衛生観念に頼るばかりでコロナウイルスを押さえ込むことができるのか? 無理ではないか、という見方がもっぱらのようです。「失敗したらどう責任を取るのだ」と昨日の記者会見で首相に質問していたイタリア人記者もいました。ここはやはり成功させるしかありません。日本人なら誰しも中国のような一党独裁の監視社会を良しとはしないはずです。もし失敗するようなら日本政府もさらに強制力のある政策を出してこざるを得ません。そんな事態にならないようにみんなで引きこもりましょう。
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